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正しい歯磨き方法を知って
虫歯や歯周病を予防しよう

しっかりと歯磨きをしても、歯医者さんで「磨き残しが多い」と言われたことはありませんか?
また、歯磨きしているのに虫歯や歯周病になったという方も少なくありませんが、歯磨きには正しいやり方があるのです。

しかし、歯磨きのやり方は学校で習わないため、ほとんどの方が正しい歯磨き方法を知りません。

そこで今回は、効率的な歯磨きの方法について解説していきます。

この記事では、歯磨きの正しいやり方や順番などについても合わせて解説。正しい歯磨きのやり方を身につけて、効率よく歯磨きしたい方は、是非この記事を参考にしてください。

歯垢や歯石ができるのはいつ?

正しい歯磨きを知る前に、まずは歯垢や歯石について知っておきましょう。これを知ることで、より効率的に歯磨きができるようになるからです。

歯垢は、歯の表面に付いていてネバネバしています。プラークとも呼ばれ、細菌が増殖した状態です。
歯垢は磨き残しの糖をエサにするため、食後8時間〜24時間の間にできると言われています。

一方で歯石は、歯垢が石のように硬くなった状態のものです。歯垢が歯に残ると唾液に含まれるカルシウムやリンと結びつき、約12時間〜48時間かけて歯石になります。

ただし、歯垢が歯石になるまでの時間は、食べる物や生活習慣などによって個人差があります。

歯垢の時にしっかりと歯磨きすることが大切

歯垢は柔らかく、歯磨きで取り除くことが可能です。
一方の歯石は、歯にこびりつくように付着していて歯磨きでは取れないため、歯科医院で除去する必要があります。

歯石があることで歯垢が付きやすくなり、虫歯や歯周病を引き起こす原因になります。
歯垢の状態のうちに歯磨きでしっかりと、取り除くことが虫歯や歯周病予防になるのです。

正しい歯磨きの5つのポイント

正しい歯磨きをする時は、次の5つのポイントを押さえておきましょう。

01歯ブラシの持ち方

歯磨きでは、正しい歯ブラシの持ち方があります。
歯磨きには、力はほとんど必要ありませんが、汚れを落とそうとしてゴシゴシと歯磨きをする人も少なくありません。

力が入る持ち方では、歯や歯茎を傷つけてしまうので、次の2つの持ち方がおすすめです。

ペングリップ

ペングリップは、ペンを持つように歯ブラシを握るやり方です。
この時のポイントは、歯ブラシの真ん中を持つようにすること。 歯ブラシの中間部分を持つことで余計な力が入らず、軽い力で磨けます。

パームグリップ

パームグリップは、手のひら全体で歯ブラシを握るやり方です。
指先に力が入らない高齢の方におすすめの持ち方です。

ただし、パームグリップはペングリップで歯磨きできない人の持ち方になるため、ゴシゴシと歯磨きをする時に力が入ってしまう人は、ペングリップで歯磨きすると良いでしょう。

02歯磨きの順番

歯磨きをする際には、順番を決めておきましょう。
何も考えずに歯磨きをすると、どこを磨いていたかわからなくなり、磨き残しが多くなります。

例えば、上顎の左側の奥歯から磨き始めて上顎の裏側まで磨く。下顎の左奥歯から磨き始めて、右側にいき裏側まで磨く。最後に上下の噛む面を磨いて終わり。というように、あらかじめ磨く順番を決めておくと、磨き残しが少なく済みます

03歯ブラシの動かし方

歯磨きをする時に、歯ブラシを大きく動かしていませんか?
歯ブラシを大きく動かすと毛先が歯の面にしっかりと当たらないため、磨き残しが多くなりやすいです。

歯ブラシは、小刻みに動かすのがおすすめです。歯に毛先がしっかりと当たって、効率的に歯垢を落とせます。

また、歯周病は歯茎の中に細菌が侵入することで引き起こされる病気です。
そのため、歯周病予防や改善したい人は、バス法という磨き方がおすすめです。 バス法では、歯と歯茎の境目に歯ブラシを45度の角度で当てて、横に細かく動かしていきます。
歯茎の中に少し毛先を入れて磨くことで、歯と歯茎の隙間にある歯垢をかき出す効果が期待できます。

04補助道具の使用

歯ブラシでは、口全体の6割ほどしか歯垢を落とせていないと言われています。
しかし、デンタルフロスや歯間ブラシといった、歯と歯の間を掃除する道具を使うことで、口全体の約8割まで磨けることがわかっています。

歯磨きをする時は、デンタルフロスや歯間ブラシを一緒に使うのがおすすめです。
デンタルフロスは、狭い歯と歯の隙間でも使用できますが、歯間ブラシはいくつかサイズがあります。

歯と歯の隙間に合ったものを選ばないと、歯茎を傷つけて歯茎の位置を下げる原因になることもあります。
歯間ブラシを使う前には一度、かかりつけの歯科医院で自分に合ったサイズを確認してもらうと安心です。

05歯磨き粉の使用

歯磨き粉には、汚れや歯垢などを除去する役割があるのを知っていますか?
例えば、清掃剤という成分は歯垢や着色汚れを浮かせる働きがあり、歯磨きを助けます。

他にも、歯周病や口臭などに作用する成分が配合された歯磨き粉があり、自分の悩みに合った歯磨き粉を使用することで、口内環境を良くする効果が期待できます。

ただし、歯磨きでしっかりと歯垢が落とせていない場合には、歯磨き粉の効果が減少しやすいです。

歯磨き粉を使用する際は、歯垢がしっかりと落ちているかを確認しましょう。

歯磨きをするときの注意点

歯磨きをする時には、次のことに注意しましょう。

歯磨きをするタイミング

歯磨きをするタイミングは、食後就寝前の2つが基本です。
食後は、口内の細菌が糖を栄養に酸を作り出したり、数を増やしたりしやすい状態です。

そのため、なるべく食後すぐの歯磨きがおすすめです。また、就寝前の歯磨きも大事になります。

就寝中は唾液の量が減り、口内が乾やすく細菌が活発になりやすい環境です。就寝前に磨き残しがあると、虫歯や歯周病のリスクが高くなる原因になります。
特に、就寝前は歯磨きを念入りに行い、歯垢を取り除いておくと虫歯や歯周病のリスクが低くなります。

汚れが溜まりやすい部分は念入りに

口内の中でも、汚れが溜まりやすい部分があります。
それが「歯の表面」「歯と歯の間」「歯と歯茎の境目」の3つの部分です。

「汚れが溜まりやすい=虫歯や歯周病になりやすい」という部分でもあり、歯磨きをする際には、特に上記の3つの部分を意識しながら歯磨きしましょう。

電動歯ブラシは効率的に磨けるの?

最近では、電動歯ブラシを使用する人も増えています。
電動歯ブラシは細かい動きができ、効率的に歯垢や汚れを落とすことが可能です。

しかし、歯並びの状態によっては電動歯ブラシを当てる角度に気をつけないと、磨き残しが出ることがあります。
電動歯ブラシを使用する時は、歯ブラシと同じように力を入れず、歯面にしっかりと当てる。歯と歯茎の境目にも当てる。といったことを意識しましょう。

電動歯ブラシは「忙しくて歯磨きを効率的にしたい」「歯ブラシを細かく動かせない」といった方におすすめです。

正しいやり方を身につけて効率良く歯磨きをしましょう

正しい歯磨きが身に付くと時間の節約になるだけでなく、虫歯や歯周病予防に繋がります。さらに、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助道具を使用すると、歯垢の除去率もアップし、口内がスッキリとします。

人によって口内の状態は違い、歯磨きのやり方もひとりひとり違ってきます。自分に合った歯磨きのやり方は、一度かかりつけの歯科医院で教えてもらうのがおすすめです。

また、その際にはデンタルフロスや歯間ブラシのやり方や適切な道具を教えてもらうと良いでしょう。効率よく歯磨きをして、しっかりと虫歯や歯周病予防をしていきましょう。

この記事を書いた人

歯科衛生士 帆保智子(ほぼともこ)
帆保智子(ほぼともこ) 歯科衛生士

歯科衛生士歴10年以上。現在は、歯科衛生士の資格と自身の経験を活かして、 ライターや監修者として活動中。「専門用語の多い歯科医療をわかりやすく」をモットーに執筆している。

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